玄関の鍵が入るのに回らない、途中までしか回らないというトラブルに遭遇したことはありませんか?鍵の不具合は日常生活に大きな支障をきたします。この記事では、鍵が回らなくなる原因と自分で対処できる方法、やってはいけないこと、自力で対処できない場合の対応方法を解説します。ぜひ参考にしてください。
鍵が回らなくなる主な原因
鍵が回らなくなる原因は様々です。原因を特定することが適切な対処法を見つける第一歩となります。
1. 鍵穴に異物が詰まっている
鍵穴の中に砂やほこり、小石などの異物が詰まっていると鍵が回らなくなる可能性があります。異物が詰まると、鍵穴と鍵の噛み合わせがうまくいかなくなるためです。
異物をそのままにしておくと、錆びて固着する恐れもあります。鍵穴に目に見える異物が入っていた場合は自分で取り除こうとせず、プロに依頼するのが賢明です。
2. 鍵や鍵穴が汚れている
鍵は日々使われるものなので、鍵穴や鍵自体に汚れが付着することがあります。汚れが溜まると、鍵と鍵穴の噛み合わせが悪くなり、鍵が回らなくなります。特に油汚れが付着すると問題となりやすいです。
3. 鍵や鍵穴に傷がある
長年の使用や乱暴な扱いで鍵や鍵穴に傷がついていると、部品が噛み合わなくなり、鍵が回らなくなります。特に精密な作りのディンプルキーは傷に弱い傾向にあります。傷が酷くなると鍵穴内で鍵が動かなくなる可能性も出てきます。
4. 鍵穴の潤滑剤が不足している
鍵穴には製造時に潤滑剤が注入されていますが、長期間使い続けるとその効果が低下します。潤滑剤が乾いてしまうと、鍵の回転がぎくしくしてスムーズに回らなくなります。潤滑剤が完全になくなってしまうと、鍵が回らなくなる前に鍵が抜けなくなってしまう可能性もあります。
5. ストライクの位置がずれている
ストライク(鍵を受ける金具)の位置がずれていると、鍵を回してもデッドボルト(鍵の突起)がうまく噛み合わず、鍵が回らなくなります。ストライクのネジが緩んでずれる場合があります。ストライクがずれすぎると、鍵を閉めた状態で鍵穴に鍵が入らなくなる可能性もあります。
6. シリンダーの固定がゆるんでいる
シリンダー(鍵穴ユニット)が扉に対してガタついている場合、鍵を回しても動きが伝わらず、鍵が回りません。シリンダーを固定しているネジが緩んでいることが原因です。シリンダーのがたつきが酷くなると、鍵穴に鍵が入りづらくなることもあります。
7. 鍵や錠前の部品が故障や劣化している
鍵や錠前の部品には一定の寿命があり、長年の使用で磨耗や劣化が進むと故障して鍵が回らなくなります。ディンプルキーの内部パーツなどが劣化しやすい部品です。鍵の故障が進行すると、最終的には完全に開閉ができなくなってしまいます。
鍵が回らないときの対処法
鍵が回らなくなった時に自分でできる対処法を見ていきましょう。原因に応じた適切な手順で、できる対処を試みることが重要です。
鍵穴の清掃
鍵穴に異物が詰まっている、または汚れが溜まっている場合は、まず鍵穴の清掃を行います。掃除機やエアダスターで異物や汚れを取り除きましょう。異物が取れない場合は無理に取り除こうとせず、プロに依頼するのが賢明です。特に鍵穴に油汚れがある場合は、専用の洗浄剤で徹底的に洗浄する必要があります。
鍵の清掃
鍵自体が汚れている場合は、歯ブラシなどで丁寧に汚れを落とします。ディンプルキーなど溝の多い鍵は、溝の中の汚れまで取り除く必要があります。清掃後は乾いた布で水分を拭き取り、錆を防ぎましょう。鍵の溝に異物が詰まっている場合は無理に取ろうとせず、プロに依頼しましょう。
鍵穴に潤滑剤を使う
鍵穴の潤滑剤が乾いている、または少なくなっている場合は、鍵穴専用の潤滑剤を使いましょう。市販の潤滑剤を使うと潤滑剤と鍵穴内の汚れが固まって逆効果になる可能性があるので注意が必要です。潤滑剤をスプレーした後は、数回鍵の出し入れを行い、潤滑剤を馴染ませましょう。
鍵に鉛筆の黒鉛を使う
手持ちに鍵穴用潤滑剤がない場合は、黒鉛の入った鉛筆をなぞることで鍵の滑りをよくすることができます。黒鉛には金属の滑りをよくする働きがあるためです。鉛筆の芯を削り、鍵の溝にしっかりと黒鉛を塗りつけましょう。使用後は布で鍵の黒鉛を拭き取り、鍵穴内に入らないよう気をつけます。
スペアキーを使う
メインで使っている鍵に問題がある場合は、スペアキーを試してみましょう。スペアキーがなければ、純正の合鍵の作成を依頼することも検討できます。ただし合鍵の精度が低い場合はトラブルの原因になることもあるので、純正キーの作成をおすすめします。
ストライクの位置を調整する
ストライクの位置がずれている場合は、ストライクを固定しているネジを緩め、デッドボルトが正しくはまる位置に調整します。ストライクの位置を変える際は、ネジを完全に外さないよう注意しましょう。ネジを紛失するとストライクが外れて修理が一層難しくなります。 ただし、知識のない方が作業を行うと症状がより悪化する可能性があるため、不慣れな方は自分で作業しない方が賢明です。
鍵や錠前の交換
鍵や錠前の部品が劣化している場合は、修理ではなく交換を検討する必要があります。シリンダーはDIYで交換可能ですが、鍵や錠前の交換は難易度が高いのでプロに依頼するのが無難です。中古の部品を使う場合は精度が低下している可能性があるので、新品の部品を使うことをおすすめします。
鍵が回らないときにやってはいけないこと
鍵が回らない時に無理な対処をすると、トラブルをさらに悪化させてしまう可能性があります。
以下の行為は避けましょう。
- ・無理に鍵を回す
- ・素人がピッキングを試みる
- ・鍵穴に不適切な油剤を使う
無理に鍵を回す
無理に力を入れて鍵を回そうとすると、鍵が折れたり変形したりする恐れがあります。また、鍵穴の内部を傷つける可能性もあります。鍵を回す際は決して無理な力は加えないようにしましょう。力任せにガチャガチャと回すのは最悪の行為です。
素人がピッキングを試みる
鍵穴の中に針金などを無理に入れてピッキングを試みると、鍵や鍵穴を破損する危険があります。ピッキングは高度な技術が必要で、素人が行うと逆効果になりがちです。針金などが鍵穴の奥で折れて取れなくなると、修理がさらに難しくなります。
鍵穴に不適切な油剤を使う
鍵穴には必ず専用の潤滑剤を使わなければなりません。不適切な油剤を使うと、鍵穴内の異物と反応して錆びたり固まったりして、鍵が回らなくなる可能性が高くなります。食用油や作業用の潤滑油なども使うべきではありません。鍵穴専用の潤滑剤でなければ使わないようにしましょう。
自力で解決できない場合の対応
様々な対処法を試してもなお鍵が回らない場合は、自力で解決するのは避けたほうがよいでしょう。無理な対処は修理が一層難しくなる原因にもなりかねません。鍵屋に依頼することで適切に解決できます。
鍵屋に依頼する利点
鍵屋には、鍵に関する専門的な知識と経験があります。プロの技術を持つ鍵屋に依頼すれば、鍵を壊さずに適切な方法で解錠したり、必要に応じて部品の修理や交換を行なったりできます。
素人が無理な方法で対処するよりはるかに安全で確実です。また故障の原因を的確に見極められるため、再発を防ぐ対策もしっかりとれます。
鍵屋への依頼費用相場
鍵屋への依頼費用は以下が相場となります。
- ・鍵開け(解錠)のみ: 6,000円〜15,000円
- ・鍵交換: 11,000円〜(部品代別)
- ・シリンダー交換: 11,000円〜22,000円(部品代別)
- ・錠前交換: 25,300円〜(部品代別)
鍵の種類や現場の状況によって費用は変動しますが、素人が無理な方法で対処して鍵穴などを破損するよりは遙かにリーズナブルです。事前に概算費用を確認することをおすすめします。壊さずに解錠できた場合はさらに安価な場合もあります。
まとめ
鍵が回らない、閉まらないというトラブルは突然起こる可能性があり、対処を誤ると修理費用が高額になる恐れもあります。自力で対処できる範囲を超えた場合は、素人判断に頼らず早めに専門の鍵屋に依頼するのが賢明です。
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