鍵の交換は家のセキュリティにとって重要な問題です。そのため問題があった場合には速やかに鍵の交換を行う必要があります。多くの人はホームセンターで購入した鍵をDIYで取り付けようと考えるのではないでしょうか。
しかし鍵の種類によっては交換作業が難しかったり、適した鍵が売り場にないことも考えられます。
今回の記事では自分で交換できる鍵の見分け方や作業手順などをわかりやすく解説していきます。ぜひ参考にしてください。
玄関の鍵交換はホームセンターで買った部品でできる?
ホームセンターで買った鍵でも鍵交換は可能です。しかし玄関の鍵に関しては自宅の中で最もセキュリティ性が求められる部分ですので、正しい鍵を正確に取り付ける必要があります。
鍵の交換に失敗すると、
- ・空き巣に入られる
- ・ドアが開かなくなる
などの可能性があるため注意しましょう。
DIY初心者は鍵業者に依頼することがオススメです。業者はプロの技術と知識を持っているので交換作業をスムーズに行ってくれます。また交換後の保証も付いている場合が多いので安心です。
ホームセンター購入の鍵で鍵交換を行う費用の目安
鍵の価格は防犯性によって異なります。最も安いのは構造がシンプルな鍵であり、防犯性が高い鍵については値段が高くなる傾向があります。
店舗で販売されている鍵の費用と防犯性について表にまとめてみました。
鍵の交換費用を安くしたいのであれば「シリンダーのみ」の交換を行いましょう。防犯性の高い鍵を選んでも数千円で済む場合が多いです。自分で交換する場合は部品代だけなので、ホームセンターで高い鍵を選んだとしても鍵業者に依頼するよりは安く済みます。
ただしDIYで行う場合には「正確に付けられる技術が必要である」という点に注意しましょう。
知っておきたい玄関鍵の種類
玄関ドアには「開き戸」と「引き戸」の2種類があり、開き戸には開き戸用の錠前が、引き戸には引き戸用の錠前が使われます。
引き戸の場合は、たとえどんな鍵がついていようと自分での交換はあまりおすすめできません。なぜなら引き戸用の鍵交換には追加で加工が必要になったり、適切な部品の取り扱いが少ないからです。
特に玄関が開き戸である場合は、
- ・左勝手?
- ・右勝手?
- ・外開き?
- ・内開き?
といった点も把握する必要があります。
鍵を交換する際に重要なのが「錠前の種類」です。一般的に錠前には5つの種類があり、それぞれの特徴や使われる場面について事前に理解しておくことが望ましいと言えます。
箱錠(ケースロック)
箱錠は「ケースロック」とも呼ばれる箱型の錠ケースがドアに掘り込まれている錠前のことです。鍵穴(シリンダー)とレバーハンドル(ノブ)を備え、2種類の閂(かんぬき)があります。
ほとんどの物件で使用されている錠前であり、錠前の基本形と言っても良いでしょう。箱錠についているシリンダーは単体で交換することができます。
面付箱錠
面付箱錠は一般的な玄関の鍵としてよく使用されています。通常の箱錠とは異なり、錠ケースをドアの室内側に取り付けるタイプのものです。ドアの素材や構造のために大きな切欠き穴を空ける掘り込み加工ができない場合や、閂(かんぬき)の動きを室外から見られたくない場合に適した鍵です。
閂(かんぬき)が外から見えてしまうと「不在である」ことが悪意を持つ第三者にバレてしまいます。さらにドアの中に閂がある場合には、バールなどで破壊開錠が簡単にできてしまいます。そこで面付箱錠を使うことで不正侵入を防止することが期待できます。
面付箱錠はシリンダー単体での交換が可能です。
プッシュプル錠
プッシュプル錠はドアを開け閉めする際にハンドルを押したり引いたりすることで操作することができる、比較的新しいタイプの錠前です。この錠前は力を入れずに操作できるため、高齢者や子供にも使いやすい特徴があります。
このシリンダーをDIYで交換することもできますが、シリンダーがハンドルの中に収められているものもあるので、カバーの開け方がわからない場合や「複雑そうだな」と感じた場合は、鍵業者に依頼すると安心です。
サムラッチ錠
サムラッチ錠は古い戸建て住宅に多く使われており、ハンドルに付いたツマミを親指で押すことでラッチボルトを制御するため「サムラッチ」と呼ばれています。ツマミ部分はラッチボルトを制御する「空錠」で、古い玄関の場合はこの空錠の上部に「チューブラ本締錠」が取り付けられているだけという場合もあります。
最近では鍵穴が付いたサムラッチ錠が主流で「ケースロックタイプ」と呼ばれることもあります。
シリンダーだけを交換することは可能ですが、デザイン性が重視される錠前であるため、既存のものと同じデザインにするかどうかが大きなポイントになります。すべての部品を交換する場合には取り寄せが必要になることも多く、費用も高額になりがちです。
インテグラル錠
鍵付きドアノブやキー・イン・ノブといったインテグラル錠は、ドアノブと鍵が一体化しているタイプの錠前です。見た目はノブタイプのケースロックのように見えますが、実際にはノブの中心に鍵穴があり、そこに子鍵を差し込んで解錠することができます。
インテグラル錠はノブの中にシリンダーが内蔵されているため、逆に「もぎ取り」と呼ばれる破壊的な開錠方法に弱いため、他の錠前に比べて防犯性能が低いとされています。
また一体型であるため中のシリンダーだけを交換することは不可能で、ドアノブごと交換する必要があります。交換作業は少々難易度が高めですが、DIYに慣れている人であれば自力で交換が可能かもしれません。
ホームセンターで購入した鍵を使って交換する方法
鍵を交換する場合はまず、パーツのサイズを正確に計測しなければなりません。パーツのサイズを間違えるとドアが正しく閉まらない可能性があります。さらに防犯性が低下して空き巣などの被害にあう可能性が増しますので注意が必要です。
ホームセンターで購入しDIYで鍵交換をする際には以下4つを意識して正しく交換することが大切です。
- 1.4つの場所を測定する
2.鍵の規格を確認する
3.鍵交換に必要な道具をそろえる
4.玄関のドアを交換する
順に解説していきます。
1.4つの場所を測定する
ホームセンターでドアのパーツを購入する前に、以下の4つの場所を測定しましょう。
- ・ドアの厚み:飾り部分を含まず水平にして計測
・フロントプレートの大きさ:ドアの側面にある金属プレートの縦と横の長さを測定
・ビスピッチ:ビスの中心から中心までの距離を測定
・バックセット:錠前の中心からドアの端までの長さを測定
2.鍵の規格を確認する
パーツのサイズを測ったら「鍵の規格」を確認しましょう。規格を間違えるとうまく施錠できません。鍵の規格はドアの側面にある金属プレートを見れば分かります。そこに刻印されているメーカー名と型番をメモしてください。規格が同じ鍵を購入すればトラブルなく交換できます。
ここで注意しなければならないのは、鍵は一度購入すると返品ができないという点です。合鍵を作られていたり改造されていたりする可能性も否定できず、防犯の観点から危険性が高いため返品ができないのです。くれぐれも間違わないように鍵を選びましょう。
3.鍵交換に必要な道具をそろえる
鍵を交換するための道具はすべてホームセンターで購入することができます。
必要な道具は以下の通りです。
- ・プラスドライバー
- ・マイナスドライバー
- ・新しい鍵
ドライバーはネジのサイズに合ったものを選びましょう。
4.玄関のドアを交換する
鍵の種類によって交換方法が異なる場合がありますが、基本的な手順は以下の通りです。
- 1.ドアを開けたままにする(トラブルを防ぐため)
- 2.型番の記載がある側面のプレートを固定している上下のビスを緩める
- 3.プレートをゆっくり取り外す
- 4.シリンダーをとめているピンを取り外す
- 5.手で押さえながらシリンダーを取り外す
- 6.新しいシリンダーを取り付ける
- 7.先ほど取り外したピンを挿入してシリンダーを固定する
- 8.側面のフロントプレートも元通りに取りつける
- 9.ネジを締め、動作確認を行う
- 10.ドアを正常に開け閉めできれば交換完了
※取扱説明書がある場合は必ずその方法を優先するべきです。
作業中にトラブルが起きた場合はすぐに作業を中断し、専門業者に相談すると安心でしょう。
ホームセンターから購入した鍵を使ってDIYするリスク
初心者が鍵交換を行う場合、3つのリスクが伴います。想定されるリスクについて事前に把握し、失敗して後悔することがないよう注意しましょう。
1.間違った鍵を購入しても返品できない
先程も少しお伝えしましたが、セキュリティ上の理由から一度購入した鍵を返品できません。したがって誤ったサイズや種類の鍵を購入してしまうと、全額を支払い直さなければならないため、慎重に選ぶ必要があります。
2.トラブルが生じる可能性がある
インターネットが普及した現代では、鍵を交換する方法を学べる手段は豊富にあります。しかし実際に経験がない場合はスムーズに交換することができない場合が多いのが現状です。
実際にDIYで交換を行ったがドアがスムーズに開閉できない、などのトラブルが発生することはよくあります。ドアに傷がつくと歪んでしまう可能性があり、歪むと施錠が困難になるため、作業を行う際には注意が必要です。
3.防犯性が下がる恐れがある
自分で交換する場合に最も懸念すべきリスクは、防犯性能が低下することです。たとえば、安価なパーツを購入して節約しようとするのは大変危険だと言えます。そのようなパーツを取り付けてしまうと、以前よりも侵入されるリスクが高まる可能性があるからです。
ネジの締め付けが甘くなっているといった不適切な取り付けが防犯性を損ねる恐れもあるので注意してください。
防犯性を重視している場合は、少々費用がかかっても鍵業者に依頼することをお勧めします。プロであれば正しいパーツを使用し、適切に取り付けられるため、防犯性能の低下を招く心配がありません。
鍵業者の失敗しない選び方
鍵業者は数多く存在しており、どの業者を選ぶべきか迷ってしまう方もいらっしゃることでしょう。ここからは鍵業者の選び方のポイントを紹介します。
営業時間・対応範囲を調べる
いくら信頼できる業者であっても、営業時間内かつ対応可能な範囲内でなければ鍵交換の依頼はできません。まずは気になる鍵業者の営業時間と対応範囲を確認し、ピックアップした業者の中から適切なものを選びましょう。
鍵業者の中には24時間営業の店舗もありますが、必ずしも全てがそうというわけではありません。そのため事前に営業時間を確認し、自分の都合に合わせて依頼しやすい業者を選ぶようにしましょう。
また対応可能な範囲についても確認し、自宅やオフィスから遠く離れた場所にある業者ではなく、近隣の業者を選ぶようにしましょう。
実績や評判を確認する
鍵業者を選ぶ際にはその業者の実績や評判を確認することが失敗しないコツです。過去の顧客の声や口コミを調べることで、その業者の信頼性や技術力を知ることができます。
また信頼できる鍵業者は、必要に応じて保証やアフターサービスを提供してくれる場合があります。こうしたサービスがあることで、鍵交換に関するトラブルが起きた場合でも安心して対応してもらうことができます。
【まとめ】
▶どの種類の鍵を買えばいいかわからない方
▶自分で鍵を交換する自信がない方
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