ディンプルキーは、数ある鍵の中で高い防犯性を誇る鍵です。ピッキング被害が少ないなどさまざまなメリットがあります。
もし、一軒家で古い型の鍵を使用しているのなら、セキュリティ向上のためにも「ディンプルキー」への交換を検討するのがおすすめです。
この記事では、ディンプルキーの特徴や一軒家の鍵交換の費用相場について解説します。さらに、他の鍵との違いやおすすめのディンプルキーについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
「ディンプルキー」ってどんな鍵?
ディンプルキーは、鍵の表面に「くぼみ」がある鍵です。鍵の表面にある「くぼみ」と鍵穴のピンが一致することで開く仕組みとなっています。
表面や側面にあるくぼみと鍵穴のピンが3方向に配置されているため、ピッキングが難しく、防犯性が高いのが最大の特徴です。
さらに、ディンプルキーのピンにはアンチピッキング性能が備わっており、ピッキングはほぼ不可能とされています。
ディンプルキーを取り付けるメリット
一軒家の鍵としてディンプルキーを採用するメリットについて解説します。
①耐久性がある
耐久性に優れている点がメリットとして挙げられます。通常のギザギザ型の「ディスクシリンダー」に比べて、ディンプルキーは摩耗によって開錠が難しくなったり、折れたりすることが少ない鍵です。
②新たに複製するのが難しい
鍵の特性上、複製するのが難しい点が挙げられます。
ディンプルキーのくぼみの高さ(深さ)は非常に精密に作られており、合鍵を作成するには高度な技術が必要です。したがって、ディンプルキーを第三者が犯罪目的で不正に複製することは極めて困難だと言えます。
ただし、鍵を紛失した際に複製が必要になった場合は、費用が高額になる可能性があるため、注意が必要です。
③ピッキングに強く防犯性が高い
ディンプルキー最大の利点は、なんといっても「高い防犯性」です。先に述べた通り、通常の鍵に比べて複雑な構造を採用しているため、ピッキングなどの不正な開錠が難しくなります。
自宅のセキュリティを高めたいと考えているのであれば、ディンプルキーの導入をおすすめします。
ディンプルキー以外の鍵の種類
ディンプルキー以外の鍵の種類について解説します。
ピンタンブラー
異なる長さのピンを並べて構成された鍵で、刻みが一方向にしかないのが特徴です。このタイプの錠は住宅やマンションでよく見られます。
ピン形状の改善により、以前と比べてピッキングの難易度は増しましたが、それでも防犯性能が低い鍵であると言えます。
ディスクシリンダー
両側の鍵山がギザギザしている鍵です。一時期、ディスクシリンダーを使っていた家庭のピッキング被害が増加したこともあり、防犯性が低いとされています。
現在の新築物件ではほとんど見られませんが、古い住宅やマンションではまだ使用されていることがあります。
一軒家の鍵交換にかかる費用相場
一軒家の鍵交換の費用は、鍵の種類や業者によって異なります。業者に依頼した場合、ディスクシリンダー交換は約10,000〜15,000円程度、ディンプルキー交換は約15,000〜20,000円程度が一般的な相場です。
単純な構造の鍵であれば比較的低コストで交換が可能ですが、セキュリティの高い鍵は構造が複雑であるため交換費用が高くなる傾向があります。しかし、その分高度なセキュリティを得ることができるので、家全体の防犯性能が向上します。
鍵は家の防犯を左右する重要な部分であるため、予算を削って極端にセキュリティ性の低い鍵を検討するのは、あまり得策とは言えません。
おすすめのディンプルキーは?
どのディンプルキーも総合的に見れば性能は良いかもしれませんが、すべてが同じ品質ではありません。自宅の鍵を選ぶ際には、信頼性の高いメーカーが提供しているディンプルキーを選ぶことが重要です。
ここからは、信頼できる鍵メーカーをご紹介します。
美和ロック(MIWA)
日本の大手鍵メーカーである美和ロックの鍵は、国内の住居やオフィスなどさまざまな場所で使用されています。
その中でも「miwa PRシリンダー」は、全てのタンブラーが同時に揃わないと回らない仕組みを持つディンプルキーです。鍵穴内は複雑な構造をしており、ピッキングに10分以上かかるよう設計されています。
さらに、多くの部品は高い硬度を持つ素材で製造されており、物理的な攻撃にも耐える頑丈な仕様となっています。このような特徴から「miwa PRシリンダー」は防犯性を強化した精密で信頼性の高いディンプルキーであると言えるでしょう。
カバ(KABA)
世界で初めてリバーシブルキーを開発した企業です。その中でも、「Kaba star neo」は同社が提供するディンプルキーで、優れた防犯性を誇りCPマークにも認定されています。
購入時には所有者登録が必要で、他者が簡単に複製を作ることが難しい仕組みである点が最大の特徴です。耐久性も高く、鍵を破壊するには10分以上かかる設計となっています。
アルファ(ALPHA)
アルファは、株式会社アルファの運営する国内鍵メーカーです。本社以外にも国内に4社、海外に11のグループ企業を持っています。アルファが提供してる「アルファFBロック」には直径1mmほどのフローティングボールが内蔵されており、非常に複雑な構造をしています。
ピッキングに強く、極めて高い防犯性を持つことから、CP-C認定マークも取得しています。複製を行うには、購入時に配布されるセキュリティカードが必要です。
価格はやや高めですが、防犯性を強化したい方にはおすすめの鍵であると言えます。
一軒家の鍵交換を自分で行えば費用を抑えられる?
業者に鍵交換を依頼すると、部品代に加えて技術料や出張費用などが発生します。しかし、自分で鍵交換を行えば、工具代と部品代だけで済むため費用を抑えることができます。
しかし、鍵交換に関する知識や経験がない方が自力で交換するのは、現実的に難しいでしょう。無理に鍵を交換すると、新しい鍵がドアに合わなかったり、ドアが破損したりといったさまざまなトラブルが発生する可能性があるからです。
破損の程度によっては、余分な修理費用が発生する可能性も考えられますので、慎重な取り組みが必要です。
鍵の交換に不安を感じる場合には、プロの鍵業者に依頼するのがおすすめです。業者は鍵に関する専門知識と技術を持っているので、確かな作業で鍵の交換を行ってくれます。
まとめ
ディンプルキーはピンの数が多く、ピッキングされにくい鍵です。また、所有者以外の複製が難しい特性もあり、防犯性に優れています。
特にMIWAやKABAなどの有名メーカーのディンプルキーは、耐久性も高く物理的な破壊が難しいのも魅力です。
ディンプルキーの交換方法には、自分で行う方法と業者に依頼する方法がありますが、前者はドアが開閉できなくなる可能性があるためおすすめできません。ディンプルキーの交換を検討する際には、安心して任せられる信頼性の高い業者に相談するのがおすすめです。
交換を業者に依頼した際には約15,000〜20,000円程度の費用がかかりますが、家の安全をしっかり確保することができます。鍵のセキュリティは正しく取り付けられたときに発揮されるため、失敗を避けたい場合は鍵業者に交換を依頼することが良いでしょう。