鍵を失くして鍵屋を呼ぶと、多くの方が高額な請求に驚かれます。電話で伝えられた4,000円が実際には5万円になったり、7,000円で良いと言われたのに作業後には8万円だったりといった具合です。

 

こういった悪質な業者のせいで、「鍵屋を呼ぶと高額になる」といった良くないイメージを持たれることは、同じ鍵屋として誠に遺憾であり、悲しい気持ちになります

 

この記事では、そもそもなぜ鍵屋の料金が高額になりやすいのか、その適正な価格はどれくらいなのか、といった内容について解説します。ぼったくり被害を防ぐポイントにも触れますので、ぜひご一読ください。

 

鍵屋を呼ぶと高額になる理由

鍵業者のウェブサイトなどで、鍵開けの料金を「数千円」と表示している業者をよく見かけますが、実際には表示されている金額よりも高くなることが一般的です。

 

ウェブサイトに表示されている料金は基本的に最低金額であり、具体的な状況によっては作業料金が増加したり、追加の料金が発生したりします。

 

鍵開けの料金が高額になる理由をご紹介します。

 

①そもそも料金が明確でない

ウェブサイトや電話で提示されている『料金は3,000円』といった低料金設定は、ほとんどが「最も単純な作業でかかる最低費用」を示しています。

 

そのため、実際の現場の状況は考慮されておらず、「依頼後に追加作業や追加機材の名目で高額費用が要求された」といったトラブル相談も残念ながら多数報告されています。

 

料金表に記載されている金額はあくまで最低限の金額であり、実際の費用は「見積書」を提示してもらうまでは分かりません。提示されている金額を鵜呑みにして依頼してしまうと、後に高額な費用を請求されてしまうこともあるため、注意が必要です。

 

②緊急性が高いので高額になりやすい

鍵のトラブルに気づくのは、帰宅時や外出時など、急な場面が多いですよね。そのため、多くの鍵業者は24時間365日営業していたり、営業時間外でも緊急の際には対応してくれたりします。

 

ただし、深夜や早朝、店舗の非常勤時にサービスを依頼すると、時間帯に応じて追加料金がかかることがあるため、それによって費用が高額になる場合があります。

 

これらの時間帯料金は業者によって異なりますが、2,000〜8,000円程度かかることがあります。また、近くに鍵業者がなく、遠方の業者に頼む場合には出張料金が発生することもあります。

 

この出張料金も業者によって設定が異なりますが、店舗からの距離が遠いほど高くなるのが一般的です。

 

③防犯性の高い鍵は高額になりやすい

ディンプルキーやカードキーなどの「高度な防犯性を持つ鍵」は構造が複雑であるため、鍵のプロにとっても破壊せず開けるのが難しいケースもあります。そんな時に用いられるのが、「破壊開錠」と呼ばれる手法です。

 

これは、鍵の本体である錠前や鍵穴部分のシリンダーを破壊してドアをこじ開ける方法で破壊開錠を行えばドアは開けられますが、そのままでは鍵をかけることができません。

 

そのため、新しい錠前やシリンダーを取り付ける鍵交換の作業が必要となります。作業には鍵開けの料金とは別に、作業料と部品代が発生するため、総費用が高くなります。

 

鍵開け費用の一般的な費用相場

鍵開けにかかる費用の一般的な費用相場について解説します。

 

ピンシリンダーとディスクシリンダー

ピンシリンダーとディスクシリンダーの解錠には、5,000〜15,000円程度の費用がかかります。

 

ピンシリンダーは「キーの片面にギザギザがある」タイプで、以前は玄関に広く使用されていましたが、防犯性が低いことから、現在ではロッカーなどに使用されることが多い鍵です。一方、ディスクシリンダーは「キーの両面にギザギザがある」タイプで、鍵穴が縦に開いています。

 

ディンプルシリンダー

ディンプルシリンダーの解錠には、20,000〜40,000円程度の費用がかかります。ディンプルキーは鍵の表面にくぼみがあり、ピッキング対策が優れているため防犯性が高いですが、その難解な特性から業者でも解錠が難しいというデメリットがあります。

 

ドアスコープがある玄関ドアの場合、ドアスコープを外して内側のサムターンを回す方法がよく使われます。この方法であれば比較的手軽に解錠できるため、費用が抑えられるかもしれません。

 

いずれにしてもディンプルシリンダーは作業費用が高額になりやすいので、業者選びの際には必ず伝えるようにしましょう。

 

ダイヤル錠

ダイヤル錠の解錠には、3,000〜30,000円程度の費用がかかります。

 

例えば、ポストのダイヤル錠であれば3,000〜8,000円程度が一般的です。一方で、家庭用金庫のダイヤル錠だと8,000〜20,000円程度の費用がかかることがあります。

 

さらに、業務用の金庫のダイヤル錠の場合には30,000円程度の費用がかかることもあります。このように、ダイヤル錠の種類によって料金が変動するため、見積もりの際には「ダイヤル錠の種類」を伝えることが肝心です。

 

カードキー

カードキーの解錠には、30,000〜80,000円程度の費用がかかることが一般的です。カードキーは通常、ICチップが内蔵されたカードを登録して使用します。

 

防犯性が高い一方で、紛失した場合や磁気不良になった場合の対応には、高額な費用が発生する傾向がありますので、取り扱いには注意しなければいけません。

 

鍵開け業者とのトラブル事例

鍵開けを依頼する際、ほとんどの場合は鍵業者に「電話」で見積もりを取ることが多いでしょう。しかし、悪質な業者の中には電話での見積もりと実際の作業金額が大きく異なるケースもあります

 

もちろん、鍵業者が電話で予測した作業だけでなく、追加で作業が必要になる可能性も否定できません。しかし優良業者であれば、追加作業が必要な場合には「作業前に」その旨を伝えてくれます。

 

金額の同意なしに作業を開始することは「規則違反」にあたります。したがって、しっかり見積もりを確認して、提示された金額に納得できるまでは決して鍵業者に作業を始めさせてはいけません

 

また、鍵開けの際に業者がシリンダーの交換を提案することもあります。シリンダーの交換は数万円から場合によっては10万円近くかかることもあります。

 

鍵やシリンダーが損傷している可能性を全否定はできませんが、根拠ある説明をしてくれない業者には注意が必要です。少しでも不審な気持ちになるのであれば断るのが賢明でしょう。今すぐなんとかしなければいけない状況になることは非常に稀です。

 

クーリングオフが適用されれば返金の可能性もある

見積もりを取るつもりで事業者を呼んだが、契約を強制された場合にはクーリング・オフの適用ができる可能性があります。

 

特定商取引法には、契約書面を受け取った日から8日以内であればクーリングオフが可能であるといった規定が存在します。

 

例えば、事前の見積りが9,000円だったのに作業終了後に5万円請求された、といった極端な金額差がある場合、依頼した時点で契約の意志がなかったと見なされ、クーリングオフが適用されることが多いです。

 

クーリングオフが適用されると、契約を解除することが可能となります。また、書面の記載内容に不備がある場合は、期間を過ぎていてもクーリング・オフが認められることがあります。

 

適正な料金の業者を事前に見抜く方法

鍵トラブルで業者を呼ぶ際、足元を見て高額な料金を請求する業者には頼みたくありませんね。ただ、提示された料金に納得できなくても、業者のスタッフを目の前にして断ることに不安を感じることもあります。

 

業者が自宅に来る前に信頼できる業者かどうかを確認したいものです。

ここでは、事前に業者の信頼性を見極める方法を紹介します。

 

Webサイトの記載を確認

問い合わせをする前に、業者の公式サイトに詳細な料金表や内訳の説明があるかをチェックしましょう。

 

料金だけでなく、鍵の種類や箇所ごとの料金、出張費や深夜料金などが詳細に掲載されている業者は信頼性が高いです。詳細な料金システムを提示していれば、実際の見積りで金額を上乗せするという不正が難しくなります。

 

実態に即した料金提示は、安い料金表示の業者よりも利用者の信頼感や納得感を優先していると考えてもよいでしょう。

 

また、業者の住所や本社の連絡先、代表者の氏名などの企業情報がサイトに掲載されていることは基本的な要件です。これらの情報がない場合は、信頼性に疑念を抱きましょう。

 

日本ロックセキュリティ協同組合公益社団法人日本防犯設備協会などの団体に加盟しているかを確認することも重要で、これらの団体に加盟している業者は技術や信頼性が期待できます。

 

電話対応を確認

業者に電話をかける際は、即座に住所などの詳細情報を提供せずに、料金の見積もりを最初に尋ねてみましょう。

 

「現場に行ってみないとわからない」と言い、具体的な回答が得られない業者は避けた方が良いでしょう。このような業者は、現場で不当に高額な見積もりを提示したり、断った場合にキャンセル料を請求する可能性があります。

 

鍵開けの料金は状況によって変動することは事実ですが、信頼できる業者は電話である程度の料金目安を提供してくれます。経験豊富で技術力のある業者は、電話での情報提供から状況や作業内容、費用の推定ができるでしょう。

 

具体的な料金を尋ねる際は、開けたい鍵の種類や数、形状、故障なのか鍵の紛失なのか、ドアスコープの有無など、できるだけ詳細な情報を伝えることがポイントです。

 

また、作業料金だけでなく、出張料金やキャンセル料の有無、それらが発生する条件についても確認しておくと良いでしょう。

 

まとめ

鍵開けや鍵作成にかかる費用は、鍵の種類や場所、業者の料金設定などさまざまな要因によって変動します。正確な料金を知りたい場合は、業者に見積もりを依頼するのが確実です。

 

2〜3社から見積もりを取ることで、適正な料金の範囲を把握できます。この際、業者のスタッフが丁寧な対応をしてくれたかという点も注目ポイントとなります。

 

ぼったくり被害に遭わないよう、この記事でお伝えした点に留意して信頼できる「スターキーロック」のような鍵業者を見つけてくださいね。

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