鍵をなくしたり、中古の一戸建てを取得したりした際に「鍵の交換」を検討する方は多いでしょう。しかし、鍵のタイプは多岐にわたり、種類によっても交換費用が異なります。

 

鍵の交換を検討している際に気を付けたいポイントや費用相場を事前に知っておくことで、スムーズに交換を行うことができます。

 

この記事では、古い鍵を使い続けるリスクと交換する鍵の選び方、鍵屋がおすすめする鍵3選を解説します。

 

古い鍵を使い続けるリスク

防犯性が低いディスクシリンダーやピンシリンダー、古く劣化した鍵は防犯上のリスクが高まります

 

特にシンプルな構造の鍵はピッキングに弱く、空き巣が侵入を諦めるまでの時間に耐えることができません。空き巣の多くは、5分以上経過すると侵入を諦める傾向があります。したがって、防犯性の高い鍵に交換することで、開錠に時間をかけさせ、侵入を防ぐことができます。

 

また、古く劣化した鍵は特に防犯性が低くなっており、破損部分があれば容易に無理やり開けられることもあります。防犯性を向上させるためには、メインの鍵を防犯性の高い鍵に交換するだけでなく、補助錠の取り付けも検討してみてください。

 

これにより、より安全な住環境を確保することができます。

 

交換する鍵を選ぶときのポイント

交換する鍵を選ぶ際のポイントはいくつかあります。

一つずつ解説します。

 

①防犯性能が高いか

防犯性が高い鍵かどうかは、最も重視するポイントです。鍵の種類や機能によって防犯性は大きく異なります。防犯性の高い鍵やシリンダーを選ぶことで、家のセキュリティを向上させることができます。

 

②相互性のある鍵か

既存ドアに使用されている鍵や錠前のタイプによって、交換できる鍵の種類が異なります。交換する鍵が既存の機構と互換性があるか確認しましょう。

 

同じ型番やメーカーの鍵を選ぶと、取り付けがスムーズに行えます。ドアノブ、デッドボルト、サムラッチといった様々なタイプの鍵がありますので、既存の機構に適しているか確認してみてください。

 

③価格

予算も考慮に入れましょう。高価な鍵ほど防犯性や機能が高い傾向がありますが、コストがかかります。自分のニーズに合った価格帯で十分な性能を備えた鍵を探すのがおすすめです。

 

しかし、同じ価格帯の中でも多くの種類があるため、どの鍵にしたら良いのか悩んでしまうこともあるかもしれません。そんな時には鍵のプロに相談してみるのもおすすめです。セキュリティ面も考慮したアドバイスをもらうことができます。

 

戸建て住宅の鍵交換におすすめの鍵3選

ここからは、鍵屋が選んだおすすめの鍵を3つご紹介します。

 

PRシリンダー

MIWA社製のPRシリンダーは「ロータリータンブラータイプ」の鍵です。このシリンダーはピンシリンダーではなく、ロッキングバーと呼ばれる部品が鍵の動きを制御しています。

 

11列11枚のタンブラーを備えており、さまざまな鍵の中でも特に高い防犯性を誇ります。耐ピッキング性能も10分以上と長く、品番によっては「耐鍵穴壊し性能」を有しているものもあります。

 

したがって、同製品は価格を抑えつつ防犯性を求めているユーザーに高く評価されています。値段が安い分、合鍵が勝手に作れない「登録制シリンダー」ではなく鍵番号で合鍵が作れる鍵ですので、前者を希望している方は注意が必要です。

 

カバスターネオ

KABA社はスイスを拠点に活動している鍵メーカーで、時計などの精密機械を製造しており、防犯性が高いことで有名です。カバスターネオは東京大学や京都大学、大阪大学などの名門大学でも利用されており、その信頼性が社会的にも実証されています。

 

この鍵に採用されているディンプルシリンダーは、ピンの数が5列 最大26ピン搭載されており、理論鍵違い数は2兆2千億通りあります。理論鍵違い数は多ければ多いほどピッキングが困難となりますので、非常に高いセキュリティ性能があると言えます。

 

ただし、鍵を失くした場合には通常の鍵屋ではピッキング解錠が難しいため、破壊するなどの措置が必要です。また、高い防犯性がある故に、他の鍵と比べて費用が高額になります。

 

自分のニーズに合った鍵かどうかの検討が必要です。

 

GOAL V18

V18はGOAL社製の鍵で、主にマンションなどで広く利用されています。カバスターネオと同様に高い防犯性を備えており、ピッキングや鍵穴への攻撃に対する耐性がある鍵です。

 

ディンプルシリンダーを採用しており、ピンの数は3列の18本で、理論鍵違い数は120億通りもあります。価格面ではカバスターネオよりもやや手頃なため、一定の防犯性を求めつつも予算を抑えたい場合におすすめです。

 

V18は登録制シリンダーではなく、鍵番号が分かれば複製可能な仕組みとなっているため、簡単に複製できない鍵を望んでいるのなら、カバスターネオを検討してみてください。

 

戸建ての鍵交換の際に注意する点

戸建ての鍵を交換する際の注意点を解説します。

 

鍵のトラブルは鍵業者に依頼する

鍵に関するトラブルは、できるだけ「鍵の専門業者」に依頼しましょう。専門業者は豊富な防犯知識を持ち、状況に応じて適切な鍵を選択することができます。技術的な面でも信頼できるので、鍵の交換に関しては専門業者に依頼することが最適です。

 

ただし、鍵の専門業者には特別な資格や公的な認可が必要ないため、残念ながら中には悪徳業者が存在します。悪徳業者を回避するためには、急いでいる場合でも最低限口コミや評判などを調査しておくことが大切です。

 

しっかりと信頼性を確認してから業者に依頼することで、安心して鍵の交換作業を進めることができます。

 

鍵の交換費用の相場を把握してから依頼する

鍵屋に相談する前には、必ず相場観を把握することが肝心です。相場を正しく理解していれば、相場から大幅に逸脱した金額を提示されても異変に気が付くことができます。

 

鍵の交換を依頼すると、作業費と新しく取り付けるシリンダーの部品代が発生します。交換用シリンダーの価格は一般的には16,500円〜27,500円程度が相場です。

 

そして、業者によって金額に大きな違いが生じるのが「技術代(作業費)」となります。作業の内容によって見積もりに幅が生まれます。一般的な作業費の相場は11,000円〜で、鍵の種類によっても変動します。

 

見積もりの際にしっかり確認しておくと安心です。

 

保証制度がある業者を選ぶ

業者を比較する際に見落としてはならないのが、提供される「保証の有無」です。保証の詳細については以下の項目を確認しましょう。

 

  • ・保証期間
  • ・保証内容

 

業者によって保証期間は異なりますが、1年〜2年程度が一般的です。保証内容に関しては「保証期間内であれば故障や損傷した鍵を無償で交換または修理」してくれることが一般的ですが、事前に内容も確認するようにしてください。

 

保証がついていれば、作業終了後に発生したトラブルに関しても無償で対応してもらえるため、この点は非常に重要な要素です。

 

まとめ

鍵は家の防犯を考える上で重要な要素となります。戸建て住宅の鍵の交換を検討しているのであれば、既存住宅のドアとの相互性や防犯性能の高さ、価格等を総合的に考慮して、自分のニーズに合った鍵を選ぶことが大切です。

 

市場にはさまざまな種類の鍵があるので、鍵に関してあまり詳しくない方が「自分に合った適切な鍵」を見つけることは、少し難しいかもしれません。

 

今回紹介した鍵以外にも、高い防犯性能を備えたものや比較的費用対効果が高いものなど、多くの種類があります。信頼できる業者に相談することで、自身のニーズに合った最適な鍵を見つけることができます。

 

大切な財産や家族を守るために、適切なタイミングで鍵の取り替えを検討しましょう。

 

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